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音楽進路相談(4)日本人留学生を歓迎するアメリカの大学

 

中学、高校からバンド活動をしてきて、高校卒業後も音楽を学んで行きたい人にはどのような選択肢があるのか、今までミュージックスクール・ライブジャムの校長として10年間10代の生徒さんの進路を見て、相談を受けて来た立場から解説します。

 

前回まで、アメリカに音楽留学をするメリットと様々な選肢について語った。

バークリー音楽大学(私立)やノーステキサス大学(州立)など超一流のプログラムや講師達が揃う所では、世界中からの優秀な仲間と出会うことができ、素晴らしいネットワークの構築もできる最高の環境だ。ここで本気で何年か打ち込めばプロへの道へ一番近い所かもしれない。

 

だが、費用がとんでもなく高いなどとハードルは低くない。

ここに、アメリカへの音楽留学のハードルと思われる懸念を並べてみよう。

 

 

一般的なアメリカ留学への懸念

1) 学費・生活費が高い (ボストンやニューヨークなど大きな都市にある学校だと生活費含めて7-800万円/年にもなる)

2) 受験(入学書類やオーディションなど)の準備が難しく、入学自体が困難。

3) そもそも英語が苦手なので最初から留学など選択肢に入れてない。

4) 海外生活の経験ないので治安含めて生活が不安。

 

実はこの懸念を全て回避してアメリカで音楽留学できる方法がある。

それが、地方の小さめの総合大学に入る事。

 

 

 

 

意外と簡単:アメリカ音楽留学の現実

例えば、シカゴがあるイリノイ州のシカゴから1時間位の所にある大学で、生徒数で5000人位、約35ヶ国から外国人学生が留学しているような小さな町。100年以上の歴史がある大学だが、消して名が通った所ではなく、全米総合大学ランキングには入って来ないが、広大な敷地に立派な建物が建ち並ぶ美しいキャンパス。

 

ここでの上記の懸念を検証してみよう。

 

1)留学のコスト

年間授業料約150万円

年間の生活費(学生寮と食事で)約100万円

 

このような州立大学は結構多くある。そしてなんと、こういう所で奨学金をもらったら授業料が半分になる事もある。ここで言う「奨学金」とはScholarshipと言って返済不要な学費なので、日本の奨学金とは性質が異なる。多くの起業、基金、そして卒業生達の寄付によって実現している資金だ。

生活費が比較的安い地方の大学であれば、年間合計で200万~250万で留学できる。

 

2)入学手続き

初めて、それも全て英語の願書はハードル高いが、これは慣れた業者を雇えばそれほど複雑ではない。筆者(校長)も息子達の願書を2回作成したが、言葉がわかれば難しくない。

今回対象にしている州立大学はたとえ音楽専攻としても入学前にオーディションはほぼ必要ない。

 

3)英語力

ここが重要なポイント。上記の学校では35ヶ国から外国人学生が留学していると書いたが、大きな町の大きな大学では、普通に100ヶ国、多い所では200ヶ国に迫る数の国から留学に来ている大学がある。

最近アメリカで大々的に人種差別に抗議するデモが湧き上がったが、アメリカでは、会社でも教育機関でも評価の物差しの一つが「多様性」になっている。

つまり、いかに多くの人種や外国人、宗教や性的嗜好がバランス良く揃っているかで組織の質が比較される。

そのため、このような地方にある小さな大学は外国人をできるだけ多く取り込みたいと思っている。そして中国人やインド人に比べて著しく人数が少なく、真面目でお行儀がよい日本人には特に来てもらいたい。

なので、同じような大学の多くは、成績や英語力で落とす事はせず、むしろ、入学してから手厚く勉強のサポートをしていく体制を取っている所が多い。

なので、多くの大学では受験の時点で英語力はさほど重要ではないという事だ。

 

 

4)初めての海外生活

住んだ事がない地で、英語に囲まれて、他の学生と一緒に寮で暮らし、カフェテリアで現地食を食べて生活する。。。と言われれば心配になる人もいるかもしれないが、

逆に言えば、行った事無いところで、言葉も文化も違う人達の中に入って刺激ある生活ができる!とも言える。

そもそも海外に音楽留学を考えているような人にとっては願ってもないエキサイティングな環境であろう。

 

私が思うのは、音楽の道で成功するためには(音楽だけではないが)、他人と同じ事をやっていたら差別化できない。そういう意味では、新しい土地で、新しい文化に飛び込んで行って、そこで見聞を広め、いろんな楽しい事や辛い事を経験して行く事で新しい価値観と創造力が生まれると思う。

それを学生として体験できるなんとも貴重な海外生活だと思う。

 

と言う事で、アメリカの大学に入学する事が意外と現実的である事がわかったと思う。

 

次回は、ここから音楽の学びについて詳しく見ていこう。

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