blogimprovement-tipsInternational students海外留学音楽の進路

音楽進路相談(5) アメリカの大学への音楽留学の実際

 

中学、高校からバンド活動をしてきて、高校卒業後も音楽を学んで行きたい人にはどのような選択肢があるのか、今までミュージックスクール・ライブジャムの校長として10年間10代の生徒さんの進路を見て、相談を受けて来た立場から解説。

この記事では、アメリカへの音楽留学が想像以上に現実的で有意義だという事を知ってもらいたい。

 

前回ではアメリカ留学の懸念とそれを払拭する手段としてアメリカの地方大学を狙うという内容だった。

 

さて、どのようにアメリカの地方大学を受験するか、どのような手順で誰の助けを受けて入学するかはあえてここでは割愛する。かなり確実に入学できるプロセスがあるからだが、それ自体は音楽の学習から外れるので、ご興味ある人は直接コメントなり、ホームページの問い合わせページからお問い合わせ願いたい。

 

ジャズプログラムある大学を探す

アメリカでは、ほとんどの大学、どんなに小さくても音楽学部があるのでクラシック音楽を学びたい人はどこでも学べるが、ジャズやその他の現代音楽を学びたい人は Jazz Studiesがある所を受験する必要がある。印象としては、大きな大学は全て、小さな大学を含めると約1/3から1/2がJazz Studiesのプログラムを備えている。それでも4000校あるアメリカで1000~2000校対象があるわけだ。

     アメリカ大学へ出願:音楽学部はオーディション

音楽専攻の出願だとまずは、音楽学部から受け入れられる必要があるので、一般の願書と平行して、音楽学部の入学用にオーディションなどがある。本来なら実際に学校を訪問して対面でやるが、海外の学生の場合は、大抵自分が演奏している動画を送ればいい事になっており、ここで音楽学部がとても欲しい生徒だと言う事になれば、一般の入学に有利に働き、場合によっては(返済不要な)奨学金が出る事もある。

 

 

合格の通知が3-5月に届き、いよいよ8月中旬~9月から新年度が始まる。

英語が苦手な人はここで一般的には、6月~7月に渡米して、入学する大学近辺または別の場所で英語を集中的に学ぶ講習を受ける事が多い。大学が始まれば完全に英語100%の授業になるので、可能な限り英語に慣れておくためだ。日本で事前に語学学校通う発想もあるだろうが、それよりどっぷり英語だけの世界に飛び込んだ方が遙かに効果的だ。

 

最初の2年間の戦略

そして8月になると受講するクラスを選択する事になるが、アメリカでは、最初の2年間で一般教養の必須科目を終わらせる傾向があるので、それが中心となるが、最初はできるだけ英語力があまり必要でない必須の数学なり体育なりのクラスをこなす手法がおすすめ。同時にESLのクラスもあり、様々なところで留学生を助けてくれる仕組みはある。

 

さて、音楽専攻の方はというと、本格的に自分の学びたい例えばJazz Studiesなどは2年目や3年目になってから受講できるというカリキュラムが多いので、初年度は 個人レッスンとアンサンブル、そして音楽理論の基礎くらいのレベル。

初年度は、何よりも英語で英語を学ぶ事と割り切って向かい合う事だ。

ただ、入学してからは、楽器のレッスンを受け、練習室は24時間使い放題になるので、音楽学部で過ごす時間、そして音楽の仲間と繋がる時間がたっぷりあるので、音楽的にとても充実しているのがなによりもの幸せ。

 

そして本格的ジャズ修練始動

さて、一般教養を終えた2年目後半あたりから待望のJazz Studiesの授業が本格的に受けられるわけだが、その内容としては、

  • ジャズ理論
  • イヤートレーニング
  • 即興
  • ジャズハーモニー (II – V – I、モードなど)
  • アンサンブル

などだ。

これでかなり聴いた曲の構造を分析してどのようにアドリブ(即興)を組み立てて行くか学べる。 そして少人数のコンボやビッグバンドなどで演奏する事で実践を積み上げて行く。

 

読者の中には「自分はジャズじゃなくてロックとかオルタナやりたいんだ」と思っている人がいるかもしれないが、ジャズの理論を学びコードの展開をマスターする事、そして何よりも即興する能力を磨く事はその後どんなジャンルに進もうが、強烈に役に立つのは間違いない。

 

アメリカ音楽留学最初の2年で達成した事

 

さてここで一度振り返ってみよう。

 

2年前に音楽を学ぶためにアメリカに来てから何が変わったか:

 

  • 英語の読み書きが飛躍的に向上し、難なく英語の講義を理解し、教科書を読み、試験を受けて、授業中に発言もしている。
  • アメリカ人はもとより、5ヶ国以上の外国人と本気で腹を割って話せる親友の仲になっている。(あるいは一緒に住んでいる)
  • 一流の教授に毎週楽器のレッスンを受け、洋楽本場のグルーヴが身についてきている。
  • 起きている時間のほとんどは図書館か音楽学部で過ごしていて、練習室が使い放題なので楽器が信じられないほど上達している。
  • 自分と同じ位音楽が好きな仲間に囲まれて生活していて、常に一緒に練習したりセッションしたりして切磋琢磨できている。
  • アメリカの大学には頻繁にいろんなアーティストが来ていて、日本では考えられないようなアーティストのライブを観て、ステージ裏に会いにいって話もできている。
  • 近くの大都市では大物アーティストのライブが気軽に2-3000円で観る事ができている。
  • 同質化している日本から出て大国で少数民族(マイノリティ)になる事で、ちょっとした差別やら体験して自分の身を守り、自己主張する能力がついた。
  • 日本を出て初めて日本を客観的に見る事ができて、自分の日本人、そして地球人としての自覚が深まった。

 

Chicago, Illinois USA. May 10, 2019. Nightlife with Jazz and Blues music. Retro bar with red and blue neon sign. Food and coctails

 

これは日本にいてはけして経験する事ができなかった貴重な2年間だった事を物語っている。

親だけでなく、友達から見ても、この2年で英語が自由自在になり、人間としてもグローバルに育ち、そして音楽が大きく上達した事が一目でわかるだろう。

今の時点だけでもアメリカに留学をした価値が明白だが、次回ではここから音楽レベルのさらなる飛躍のための選択肢を見てみよう。

 

 

コメントを残す